猿人えんじん

約700万年前~約120万年前の期間アフリカに生息していた化石人類の総称。

サヘラントロプス属

約700万年前~約600万年前。チャド「トロス・メナラ遺跡」で頭骨が発見された(2001年)。サヘラントロプス・チャデンシス1種のみ。トゥーマイ猿人ともいう。類人猿*そっくりだが、大後頭孔*が真下にあるので直立歩行していた可能性が高い。

Sahelanthropusは「サヘル地域の人」の意。

「トゥーマイ」

見つかったのはこれだけ。

オロリン属

約618万年前~約580万年前。ケニア「トゥゲンヒルズ」で5体ほど発掘された(2000年)。オロリン・トゥゲネンシス1種のみ。チンパンジー程度の大きさで、直立し、果物や野菜、時々肉も食べていたらしい。木登りはできたが腕渡りはできなかったようである。

Orrorinは「原初の人」の意。

アルディピテクス属

約580万年前~約440万年前。エチオピア「アファール盆地」で発見。アルディピテクス・ラミダス(1992年)とアルディピテクス・カダバ(2001年)の2種で、ラミダスはアルディと名付けられた全身の骨が見つかっている(1994年)。身長100~120cm、脳容量300~350cm³。足の親指が手みたいに他の指と離れていて物が掴める。手の骨にナックルウォーク(ゴリラ歩き)の跡が無いので二足歩行だったと考えられる。しかし足に土踏まずが無いので長距離移動は苦手だったかもしれない。体格の性差が小さい。雑食。砂混じりの食物はあまり摂取していない。カダバはラミダスに比べて犬歯がより原始的(鋭く長い)。ジャングルとサバンナが入り混じった所に生息していた。

Ardipithecusは「地上の猿」の意。

アウストラロピテクス属

約400万年前~約200万年前。アウストラロピテクス・アフリカヌス(1924年)をはじめとした7種が発見されている。中でも1974年に発見されたアウストラロピテクス・アファレンシスアファール猿人)のルーシーは骨格の40%が揃っていて、化石人類の直立二足歩行を示す最古の証拠として当時世界的に話題になった。身長約130cm、脳容量は360~650cm³でチンパンジーと殆ど変わらないが、土踏まずがある。土踏まずがあると、足に体重を掛けた時、その形状を保とうと土踏まずの端と端を繋ぐ筋肉が縮み、地面からの圧力に反発するので、足の裏に掛る衝撃が減るのである。サバンナ、草原に住み、地面を掘って砂混じりの食物を食べることもあった。肉食には狩りをすることもあったが、肉食獣の食べ残しをあさったりもした。臼歯がでかい。華奢型きゃしゃがた(小顔、雑食)と頑丈型がんじょうがた(大顔、ベジタリアン、クソデカ臼歯)がいて、華奢型が後の原人に進化したとされる。

Australopithecusは「南の猿」の意。

ルーシー

パラントロプス属

約200万年前~約120万年前。ボイセイ、ロブストス、エチオピクスの3種。古くはジンジャントロプス属と呼ばれていた。

アウストラロピテクス属の華奢型と頑丈型は別の属であるとする説があり、その説によると華奢型はアウストラロピテクス属、頑丈型はパラントロプス属に分類される。

ケニアントロプス属

約350万年前~約320万年前。ケニア「トゥルカナ湖」で発見。ケニアントロプス・プラティオプス1種のみ。アウストラロピテクスの一種?ようわからん。扁平な顔。

オルドヴァイ文化

タンザニア北部「ンゴロンゴロ自然保護区」のオルドヴァイ渓谷で見つかった世界最古の旧石器文化。礫石器れきせっき(手頃な大きさの石を他の石で打ち欠き、鋭利になった部分を刃物として使用する石器)を主体とする。打ち欠いた時の破片も剥片石器はくへんせっきとして使われた。

片面だけ打ち欠いたものを「チョッパー」、両面打ち欠いたものを「チョッピング・ツール」という。

アウストラロピテクスが文化の担い手で、ホモ・ハビリス(原人)の化石も見つかった。


類人猿るいじんえん

ヒト上科に属する人類以外の種。ヒト上科はヒト科*とテナガザル科に分類され、尾が無いという特徴を持つ。

 

 

ヒト科

ヒト科はヒト亜科*とオランウータン亜科に分類される。

 

 

ヒト亜科

ヒト亜科はヒト族*とゴリラ族に分類される。

 

 

ヒト族

ヒト族はヒト亜族*とチンパンジー亜族に分類される。

 

 

ヒト亜族

人類ともいう。サヘラントロプス属、オロリン属、アルディピテクス属、アウストラロピテクス属、パラントロプス属、ケニアントロプス属、そしてヒト属(ホモ属)に分類される。